GASTROSCOPY野田市胃がん内視鏡検診について

胃がんはかつて国民病ともよばれ、多くの日本人を苦しめてきた病気です。
日本としても国をあげて対策を講じてきましたが、胃がん検診の歴史としては1956年に長野県伊那郡で約3000人に行われた間接X線検診(バリウム検査)がそのはじまりといわれています。
その後も長年バリウム検査が胃がん検診において主役をはたしてきましたが、近年の内視鏡検査機器の技術向上や内視鏡検査医の増加に伴い、2016年より全国的に胃がん検診として内視鏡検査が導入されるようになりました。

野田市も2022年4月より胃がん内視鏡検診が導入され、当院でも内視鏡検診を行っております。
胃がん内視鏡検診についてあまりよくわからないことが多いと思いますので、これからQ&A形式で解説していきます。

A.まずは「健診」と「検診」のちがいですが、簡単にいうと
・健康状態を確認(診察)する「健診」
・特定の病気(がんなど)を検査し確認(診察)する「検診」
であり、がんなど特定の病気を見つけにいくものが検診となります。
通常の保険診療は何かしらの症状があって病院に受診した場合に健康保険をつかって診療が行われますが、特に症状がない方に対しておこなっていく診療が「検診」となります。

A.なにかしらの病気をみつけにいくという意味では同じなのですが、両者のちがいとしては
・市区町村検診(対策型検診)→集団の死亡率をさげる目的、公費
・人間ドック(任意型検診)→個人の死亡率をさげる目的、自費(一部補助がでることも)
となります。
何が違うの?というところなのですが、個人で行う検診とことなり市区町村主体の対策型検診は、安全性(検査にはすべて合併症が必ずありますが、そのリスクを最小化すること)や費用対効果(財源に対して死亡率をどれだけ下げられるか)の検証が必要となります。

A.これはとても難しい質問です。
バリウム検査は1度にたくさんの人数をおこなえることもあり、特に病院の少ない地方都市では今でもたくさんおこなわれている検査ではあります。前問の「死亡率減少」効果としては証明されており、バリウム検査も胃がん検診としてはとても重要と考えられていますが、撮影者と読影者が必要となり、近年読影者が徐々に減少しております。
内視鏡検診は早期の病気もみつけることに長けており、今後は内視鏡検診が増加することが見込まれています。
住んでいる地域や、病院へのアクセスなどによって異なると思いますが、当院としては可能であれば内視鏡検査をうけることをオススメしております。

A.当院では以前つらかった方やはじめてで不安の強い方の内視鏡検査時に鎮静剤を使用しておりますが、胃がん内視鏡検診では鎮静剤使用は禁じられております。
症状しだいでは保険診療で鎮静剤を使用することもありますのでまずはご相談ください。

A.通常の保険診療での内視鏡検査では組織を摂取することによりピロリ菌の検査を同時におこなうことができますが、鎮静剤同様禁じられております。
ただピロリ菌の検査はいくつか種類があり、当院ではピロリ菌感染が疑われる場合採血検査により追加検査を行うことが可能です(別途費用あり)。

A.胃がん内視鏡検診は毎年うけられるわけではなく、対象者が隔年で異なります(その年偶数年の方と奇数年の方でわかれています)。つまり2年に1回は内視鏡検診が可能ということです。
ピロリ菌感染が過去にあった方や症状がある方などは、検診対象ではない年も保険診療で検査が可能ですのでご相談ください。

A.基本的に検査は千葉県予防財団とのダブルチェックで判定しております。原則ダブルチェック後に郵送で結果を通知しておりますが、だいたいの結果(胃がんが疑われるかどうか)は当日お伝え致します。
その他当日きになったことがあれば何でもお聞き下さい。

A.全国統計では都道府県によりばらつきがあることがわかっていますが、千葉県では検査をうけた250人に1人くらいが胃がんと診断されています(平成30年度)。

胃がんは進行するまで症状がでないため、定期的な検査、検診がとても重要になります。
上記でも不明な点がありましたら受診いただいた際にご相談ください。

また「胃がんについて」「内視鏡検査について」は別途解説ページありますのでそちらもご参照下さい。