INTERNAL MEDICINE一般内科

Fever発熱とは

  1. 01

    発熱って何度から?

    発熱は何度以上が発熱なのでしょうか?平熱が35度台の方にとっては36度後半まで達するとつらいこともあるかと思います。一般的に医学書や医学関連の診断基準等で使用される基準としては「37.5度以上」が多く用いられています。近年感染予防の一貫から、非接触型の体温計が広く普及しましたが、本来であれば腋窩(脇の下)や直腸での測定がより正確な値を反映しています。そもそも人間が発熱するときにはどのような原因があるのでしょうか?

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    発熱はからだの炎症?

    体温は外気から温められて上昇することもありますが、ほとんどはからだの内部から発生した熱によって上昇します。一番身近なのは運動です。体を動かしたときに体温が上昇し発汗することは誰もが経験していることです。さむいときに体が震えるのは、外気温の低下に対して内部から熱を発生させようとする人間の防御反応です。その他にからだの内部から熱を発生する状況としては「炎症」です。なんらかの原因があり、からだの内部に「炎症」がひきおこされた場合に熱が発生します。

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    炎症は感染症でおきやすい?

    ではどういうときに「炎症」がおこるかを考えていきましょう。一般的に「炎症」がおこる状況としては「感染症」「膠原病」「悪性腫瘍」「薬など摂取したものの副作用」が考えられます。まず「感染症」ですが、これはイメージしやすいと思います。体内に何らかの病原体(細菌やウイルスなど)が侵入し、生体防御反応をおこした結果「炎症」が惹起されます。発熱で病院を受診する際には「感染症」が原因である場合が多く、我々医療者もまずはこれを第一に考えながら診療をすすめていきます。

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    感染症以外で炎症をおこすのは?

    「炎症」をひきおこす原因が細菌やウイルスであった場合に「感染症」となりますが、その他の原因でも「炎症」は起きえます。異物としては「悪性腫瘍」や「薬など摂取したものの副作用」としても「炎症」がおこりますし、そもそも自分自身を異物とあやまって判断してしまう病気が「膠原病」といいます。「感染症」では説明のつかない発熱があった場合にはこれらの原因を考えながら検査をすすめていきます。

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    発熱した場合には・・・?

    発熱にはすぐに対処しないと生命を脅かすものから、数ヶ月にわたって続くものの生命には影響をきたさないものから幅広くあります。前者の代表格は「感染症」ですが、通常は咳や鼻水、腹痛や下痢などの症状を伴うことが多く、その場合は速やかな受診をおすすめします。「感染症」の中には他人に感染させてしまうものもあり、必要に応じてゾーニングや隔離をすることもあります。当院では発熱診察室を用意しており、原則的にそちらでの診察を行いますので、できれば受診前に発熱があることをスタッフにお伝えください。

Coldかぜ症状

  • かぜってどんな病気?

    かぜという病気を聞いたことがないという方はいないと思いますが、どんな病気でしょうか?意外と身近なようで説明が難しいのがかぜという病気。医学的には「かぜ症候群」という病名で扱われます。かぜ症候群とは、「上気道の急性の炎症による症状を呈する病気」(日本呼吸器学会HPより一部改)とされていますがこれもなんだかよくわかりません。結局のところ「急性の炎症により、のど、はな、せきの症状をきたす病気」と考えて問題ありません。かぜ症候群の原因微生物はほとんどがウイルス性ですが、一部に細菌性のものもあります。

  • のど、はな、せき症状

    かぜ症候群とは「のど」「はな」「せき」症状をきたす病気でしたが、正確にいうとその三つが等しくおきているものを指します。逆にいうと三つのどれかが強い場合には風邪ではない可能性があります。ひとつずつみていきましょう。
    まずは「のど」ですが、具体的にはのどの痛み(咽頭痛)になります。この症状が強い場合には、のどに細菌感染をおこしていたり、ひどいときには膿がたまってしまっている可能性があります。具体的な病名としては「咽頭炎(溶連菌性)」「扁桃周囲膿瘍」「急性喉頭蓋炎」などがあります。
    つぎに「はな」ですが、具体的には鼻汁(はなみず)になります。この症状が強い場合には、はなの奥に細菌感染をおこしていたり、ひどいときには膿がたまってしまっている可能性があります。具体的な病名としては「副鼻腔炎」があります。
    さいごに「せき」です。これはそのままですね。この症状が強い場合には、気道の奥(下気道)に細菌感染をおこしている可能性があります。具体的な病名としては「肺炎」があります。

  • かぜは万病のもと?

    かぜ症候群のほとんどはウイルス性で抗生剤も必要なく数日で軽快しますが、上記のように個別症状によって抗生剤治療が必要となる場合もあります。また、かぜ症状とおもっていたらB型肝炎やHIV(エイズのもとになるウイルス)感染の初期症状のこともあるので、なかなか治癒しない場合にはいつでもご相談ください。

Medical checkup検診異常

検診異常について

検診異常には様々な種類があります。「異常」が見つかった場合は、診断結果をしっかりフォローして、その後の健康や生活の質向上につなげていきましょう。

Blood pressure血圧異常

  1. 01

    血圧の異常って?

    血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことです。高血圧は、上の(収縮期)血圧140mmHg以上、下の(拡張期)血圧90mmHg以上の場合と定義されています。ではこの血圧が高い状態を放置しておくとどのようなことが起こるのでしょうか?

  2. 02

    高血圧がもたらす病気

    高血圧を放置しておくと、全身の血管に動脈硬化がおこり、やぶれやすくなったりつまりやすくなったりします。具体的な病気としては「脳卒中」「心臓病(心筋梗塞など)」「腎臓病」をおこしてしまうことがあります。

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     高血圧の原因や症状

    高血圧には2種類あり、何か別の病気がかくれていてそこから高血圧が二次的に起こっている「二次性高血圧」と、特定できる原因のない「本態性高血圧」があります。原因にもよりますが、通常は高血圧によって何かしらの症状を感じることはないとおもいます。健康診断やふとしたときに測定した血圧で異常高値を来たした場合は高血圧の可能性があります。

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    高血圧を指摘されたら

    血圧は常に変動しており、運動中や運動後、人によっては病院に来ることで血圧が上昇することもあります。それが真の高血圧なのか、一過性の血圧上昇なのかは家庭などで安静時(できれば朝夕)の血圧測定を行い確認する必要があります。ご自身の血圧に異常が指摘されたり、以前から血圧のことが気になっている方は気軽にご相談ください。

Blood test血液検査の異常

  1. 01

    血液検査で異常がいわれたら…

    何かしらの症状がある場合は病院を受診すると思いますが、健診は基本的に症状のない方が受診するものです。症状にでない異常、その一つに血液検査の異常があります。健康診断でよく指摘される血液検査異常について見てみましょう。

  2. 02

    脂質代謝異常

    「コレステロール」、この言葉を聞いたことがない方は少ないと思います。健診異常として指摘されるものの中で比較的頻度が多いのがこの「コレステロール」の異常です。我々医療従事者はコレステロールや中性脂肪含め、「脂質代謝異常」と呼んでいます。コレステロールには悪玉と善玉がありますが、これに相当するのがLDL-C(エルディーエルコレステロール:悪玉)、HDL-C(エイチディーエルコレステロール:善玉)です。悪玉は高いとからだに悪く、善玉は逆に高いほうがからだにいいとされます。各基準値はLDL-Cで140mg/dl未満、HDL-Cで40mg/dl以上が正常値です。
    次に中性脂肪ですが、これも高いとからだに悪く、基準値は150mg/dl未満が正常値です。異常値というのはそれだけで治療が必要というものではなく、あくまでも病気のスクリーニングとしての数値です。この脂質異常は、たんに「メタボリックシンドローム」として、その他「甲状腺機能低下症」や「家族性高コレステロール血症」としてみられることもあります。脂質代謝異常に別の病気が隠れていないか調べ、必要に応じて内服を開始することがあります。

  3. 03

    血糖異常

    血糖の異常、これを指摘された方は「糖尿病」の可能性があります。空腹のときの血糖で110mg/dlを正常としますが、皆様がよく目にするのはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)だと思います。これは糖化した(血糖が付着した)ヘモグロビンの割合で、基準値は5.6%未満(NGSP)です。糖尿病は1回の血糖異常だけでは診断できないこともあり、期間をあけて2回測定した結果で判断することもあります。これも「メタボリックシンドローム」としてみられることもあれば、自己免疫によって糖尿病になる方もいます。別の病気がかくれていないか調べ、必要に応じて内服を開始することがあります。

  4. 04

    肝機能異常

    肝臓は生きていく上で重要なはたらきをいくつもおこなっています。その肝臓に異常(炎症)をきたしているかどうかの検査としてAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPがあります。これらは肝臓の細胞に多く含まれている酵素で、炎症などによって肝臓の細胞がこわれているときに上昇します。検査機関によって正常値が異なりますが、ASTもALTもおおむね40IU/mlくらい未満が正常で、γ-GTPは男女で異なりますがおおむね50IU/l以下が正常とされています。健診で異常がしてきされたときには「メタボリックシンドローム」としての「脂肪肝」や「アルコール性肝障害」などもありますが、時には「ウイルス肝炎」や「薬剤性肝炎」のこともあります。これもやはり別の病気がかくれていないか調べます。原因によっては内服を開始することもありますが、体重減少などが必要なこともあります。

Bariumバリウム異常

  1. 01

    バリウム検査

    このページをごらんになっている方はすでにバリウム検査を受けた方だと思いますが、どういった検査だったでしょうか。これは胃がん検診として行われるもので、バリウム(白い液体、レントゲンに写る)を服用し、胃のなかに薄くひろげることによって胃の模様や内部の病気を影絵としてレントゲン撮影するものです。そう、あの白い(まずい)液体はバリウムだったんですね。

  2. 02

    バリウム検査でひっかかったら

    前述したとおり、バリウム検査は胃がん検診として行われます。これで異常を言われた場合には「胃がん」の可能性がありますが、その他に「慢性胃炎(萎縮性胃炎)」の可能性もあります。「慢性胃炎(萎縮性胃炎)」は「ヘリコバクターピロリ菌感染症」によって引き起こされている可能性があり、今後の胃がんリスクとなることがあります。精密検査としては胃カメラが必要で、何か病気が判明した場合には各種治療をおこなっていきます。

Fecal occult blood便潜血

  1. 01

    便潜血とは

    健診時に便の提出をすることがあると思います。潜血とは字のごとく、潜んでいる血液です。肉眼的に便に血液が付着していた場合は異常だと認識すると思いますが、この検査は目に見えない程度の血液も検出してくれます。便に血液が混ざっている、そんなときは「大腸がん」の可能性があります。

  2. 02

    1日法?2日法?

    おそらく多くの方が2日間にわたって便を採取したとおもいます。これは1日だけの場合よりも2日にわたって採取したほうが検査の精度があがることとがわかっているからです。ちなみに3日にわたって採取した場合は2日法と比べて思うような検査精度の上昇はなかったため、費用対効果などの面から2日法が一般的です。毎年この便潜血をうけた場合には大腸がんによる死亡率を3割程度減らすことができるということがわかっています。

    ≪がん情報サービスHP≫
    https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/screening/screening_colon.html
    ≪知っておきたいがん検診≫
    https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/largeintestine/

  3. 03

    便潜血にひっかかったら

    前述したとおり、便潜血にひっかかったら、大腸がんの可能性があります。精密検査としては大腸カメラが必要で、何か病気が判明した場合には各種治療をおこなっていきます。もし以前に大腸カメラをうけたことがあって、そのときに苦痛が強かった方は鎮静剤投与下での検査も可能ですのでいつでも相談ください。