VACCINATIONムンプスワクチン(おたふくかぜ)

ムンプスワクチン(おたふくかぜ)

MRワクチンのときにも触れましたがもともとはMMRワクチンとして麻しん風しんワクチンとともに接種されていました。現在は単独での接種となっています(海外ではMMRワクチンが一般的)。

ムンプス(おたふくかぜ)とは

おたふくかぜとは流行性耳下腺炎のことでムンプスウイルスに感染することによってひきおこされる病気です。流行性「耳下腺」炎とつくように、発熱と共に唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)が腫れるのが特徴です。耳の前面から顎のラインにかけて腫脹し、おたふくのような顔にみえるためおたふくかぜと呼ばれています。多くの場合は1週間以内に軽快しますが、無菌性髄膜炎や精巣炎/卵巣炎などいくつかの合併症をひきおこすことがあります。無菌性髄膜炎や脳炎が重症化すると重度の難聴が残ったり、最悪の場合命をおとしてしまうこともあります。おとなになってからムンプスウイルスに感染すると、精巣炎や卵巣炎をおこし、不妊の原因となってしまうこともあります。

無菌性髄膜炎
脊髄腔の中に感染がおこることを髄膜炎といいますが、細菌によっておこるものを「細菌性髄膜炎」、ウイルスによっておこるものを「無菌性髄膜炎」といいます。前述のとおりかつてMMRワクチン接種によって無菌性髄膜炎の発生が報告されましたが、普通に感染するよりも頻度は低く(自然感染1.24%、MMRワクチン0.08%)、ワクチンで予防することが推奨されています。

国立感染症研究所HPより
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2254-related-articles/related-articles-402/3793-dj4027.html

接種スケジュール

ムンプスワクチンは小児任意接種の対象です。前述のとおり以前はMMRワクチンとして定期接種対象されていましたが現在は任意接種となっています。ワクチンの副反応として髄膜炎や難聴、精巣炎や卵巣炎などがありますが、無菌性髄膜炎同様、その他の副反応も自然感染(ワクチンをうたずにかかってしまうこと)での発症確率にくらべると低いことがわかっており、ワクチンの接種が推奨されています。
標準的には1歳から1歳3ヶ月のあいだで1回接種します。ただ、以前はMRワクチンと同時接種されていたことからも、日本小児科学会ではMRワクチンの第1期第2期と同時接種(計2回)を推奨しています(1回では完全に予防できません)。
MRワクチンでも記載しましたが、ムンプスワクチンの1回目は1歳の誕生日がきたところでHib(ヒブ)、小児用肺炎球菌、4種混合、MR、水痘、ムンプスの6種類を同時接種することが推奨されています(MRワクチン第1期と同時)。
2回目もMRワクチン第2期と一緒で小学校入学前の1年間でMRワクチンと同時接種でうけることが推奨されています(可能であれば3種混合+ポリオ:5回目も同時接種)。

ワクチン.netより引用