INFLUENZAインフルエンザワクチンについて

インフルエンザと「風邪」

インフルエンザという病気を聞いたことない人はあまりいないと思います。ただそれが普通の「風邪」とどうちがうのか、きちんと理解している方は少ないと思います。そもそも「風邪」はどういう病気なのでしょうか。
2020年初頭からのSARS-CoV-2ウイルス感染の流行で、「風邪」という概念が注目されはじめました。「風邪」とは、様々なウイルスによりのど、はな、せき等の上気道症状をひきおこす病気のことです。上気道症状をひきおこすのがインフルエンザウイルスであれば「インフルエンザ」、SARS-CoV-2ウイルスであれば「COVID-19」という病名になります。
「風邪」の原因となるウイルスは数多くあり、その中でも特徴的な経過をたどるものに対しては、ウイルスを特定し、特定の病名がついているということです。

インフルエンザってどんな病気?

インフルエンザは古くからしられている病気で、周期的な流行をくりかえすことから、16世紀のイタリアの占星家たちが寒気の影響(influence)があると考え、このような名前になったようです。(国立感染症研究所HPより引用)つまりインフルエンザには「季節性(周期性)」があり、さらに普通の風邪よりも重症化しやすい特徴があります。初期症状としては通常の風邪のような症状ですが、とくに高齢者や持病のある人、免疫が低下している人では二次的な細菌感染を起こし重症化します。
小児でも高熱により熱性けいれんがおこったり、中耳炎や時には脳炎をひきおこすことがある注意すべき病気です。

どう対処していくもの?

インフルエンザにはほかの風邪と違い、インフルエンザウイルスにたいする治療薬が存在します。タミフルやリレンザ、ゾフルーザなどで治療された方も多いと思います。ただ病気の基本は「予防」であり、その中心選手がインフルワクチンです。近年のSARS-CoV-2ウイルス感染によりワクチンに対する意識が変化していると思いますが、インフルエンザはかねてより重要なワクチン対象疾患でした。
SARS-CoV-2ワクチンと同様に、「病気にならない」ことも大事ですが、「重症化しない」ということが非常に大事です。

インフルエンザワクチンについて

ワクチンの効果についてはいくつかの研究結果があります。
高齢者福祉施設入所中の65歳以上の高齢者について、34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。また6歳未満の小児を対象とした2015-2016年の研究では、60%の発病予防効果があったとされています。(厚生労働省Q&Aより引用)

基本的には任意接種のものですが、以下にあてはまる方は定期接種(公費補助対象)となります
・65歳以上の方
・60~64歳で呼吸器・心臓・腎臓に機能障害を有する方
・60~64歳でHIVによる免疫機能障害の方

各市区町村により対象が若干異なる可能性もありますので、保健センター等にご確認ください。また、市区町村をまたいで接種をする際にも別途手続きが必要になることがありますので事前にご確認をおねがいいたします。

接種スケジュール

成人と小児で接種回数が異なります。

・生後6か月~12歳(13歳未満)…2回接種(2~4週間あける)
・13歳以上…1回接種

一般的には効果がでるまでに2〜4週間程度はかかりますので、流行する12〜1月にむけ、10〜11月で接種することが効果的とされています。