VACCINATION 水痘(すいとう)ワクチン

水痘(すいとう)ワクチン

水痘(すいとう)という病名はあまり聞き慣れていないと思います。この病気は水痘(帯状疱疹)ウイルスが感染することによってひきおこされますが、初感染では「水痘(水ぼうそう)」、再燃時には「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という病名になります。

水痘(水ぼうそう)

ウイルスにはじめて感染したときは発熱と発しん(ぶつぶつ)が全身(特に頭やからだ)に出現します。発しんは①小さく赤く腫れ上がったもの、②水ぶくれ、③かさぶたとなり、①~③の状態が入り交じって存在するのが特徴で、かゆみを伴います。通常は1週間程度でよくなりますが、中には肺炎や脳炎をおこしてしまうこともあります。一旦感染したウイルスは完全に排除されるわけではなく、脊髄近くの神経節というところに隠れてしまいます。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

神経節のウイルスはずっと隠れているわけではなく、体力や免疫力がおちた状態になると再び現れて発しんをおこします。この発しんは「水ぼうそう」と異なり、わき腹や顔面などに神経の走行に沿って出現し、痛みを伴います。通常はからだの半分にしかおこらず、真ん中部分でくっきりとわかれめが見えることもあります。

水痘ウイルスは非常に感染力が強く、咳などの飛沫感染や、麻しんと同様空気感染をおこすこともあります。また、まれながらも重症化することがあり、積極的な予防が必要とされています。こどもでは水ぼうそう予防として2014年から定期接種の対象となり、おとなは2016年から50歳以上の帯状疱疹予防として任意接種の対象となりました。おとなの帯状疱疹予防は、水痘ワクチン(弱毒生ワクチン)では年齢と共に有効率が低下することがわかっていて、2020年1月からは新規ワクチン(組み替えサブユニットワクチン)が使用できるようになっています。

接種スケジュール

こども

水痘(すいとう)ワクチンは小児定期接種の対象です。1歳未満での接種では免疫獲得が十分でないことから、1歳をむかえた後での接種開始となります。1歳から1歳3ヶ月までの間に1回目、そこから3ヶ月以上あけて2回目を接種します(標準的には6~12ヶ月あける)。
MRワクチンでも記載しましたが、水痘ワクチンの1回目は1歳の誕生日がきたところでHib(ヒブ)、小児用肺炎球菌、4種混合、MR、水痘、ムンプスの6種類を同時接種することが推奨されています。

ワクチン.netより引用

おとな

おとなのワクチン接種は任意接種となります(50歳以上が対象)。2016年より水痘ワクチン(1回接種)、2020年からは組み替えサブユニットワクチン(2回接種)が使用可能となっています。前述の通り水痘ワクチンは年齢と共に有効率が低下することがわかっており、帯状疱疹予防としてはサブユニットワクチンが有効です。どちらがいいか等迷われる場合はご相談下さい。水痘にかかった人と接触してしまった場合に72時間以内に緊急ワクチン接種をうけることによって、発症(症状がでること)を防ぐ効果があります。